クレーンの新設

懸垂形クレーンの走行レールにH形鋼を使ったらサドルが対応していなかった!?

懸垂形クレーンの走行レールにH形鋼を使ったらサドルが対応していなかった!?

『大阪・兵庫でクレーンの困ったを解決する会社』オウンドメディア担当の頭井秀市です。

天井クレーンを新たに設置される場合は、建物の設計段階からお話をしてもらわないと色々と困った事が起きてしまうことがあります。今日はそんな困ったことの中のひとつの事例をご紹介します。

以前、テルハ(モノレール)式のクレーンを設置する際、建築の方で既にレールを取り付けた後に引き合いを頂戴したのですが、図面を確認するとレールがH形鋼でした。

通常、テルハや、懸垂形天井クレーンの走行レールにはH形鋼ではなくI形鋼(Iビーム)を使います。これはH形鋼よりもI形鋼の方がフランジ部の構造がテーパー上になっていて垂れに強いためです。

H_Katakou

H形鋼

I_katakou

I形鋼

引用:http://ja.wikipedia.org/wiki/形鋼

H形鋼とI形鋼の違い

H形鋼とI形鋼の違いは、ウェブ、フランジ共にフラットなH形鋼に対して、Iビームは両フランジ部内側が中心から両端へ向けて肉厚が薄くなるテーパー構造となっていて主に各種クレーンのホイストやチェンブロック等の水平移動用レールに使用されています。

H形鋼

H形鋼(エッチがたこう)は、断面が「H」形の形鋼である。様々な所で使われている代表的な形鋼である。他の形鋼に比べて、断面効率(重量当たりの曲げ剛性や曲げ強度)が優れている。『H』の縦2本の部分をフランジ、横1本の部分をウェブと呼ぶ。「H-200(H寸法)×100(B寸法)×5.5(t1寸法)×8(t2寸法)」(例)のように表記される。

I形鋼(Iビーム)

I形鋼(アイがたこう)は、断面が「I」形の形鋼である。形状的にはH形鋼に近いが、同一サイズではH形鋼と比べて板厚が厚く、重量、剛性ともに大きい。フランジ内面にはテーパー(傾斜)が付けられている。I型ジョイスト、アイビームとも呼ばれる。

クレーンに使用する時は車輪の仕様に要注意

と、ここまでH形鋼とI形鋼の違いを見てきましたが、ここで、H形鋼をクレーンのレールに使用した場合、何に注意するべきかというと、それは車輪です。前述したとおり、クレーンのレールには通常I形鋼を使っている為、メーカー標準仕様の車輪はすべて踏み面にテーパーがついています。H形鋼にこのテーパーがついている車輪を使ってしまうと、車輪とレールが正常に接触せずに、点当たりとなってしまい動作不良の原因となってしまいます。

いやいや、そんなことせんやろ~乗せるときに気付くって~とぼくも思うんですが、H形鋼のレールにI形鋼用のテーパーのついている車輪を使っているケース、本当にまれですが見掛けます。

それもそのはず、日本のホイスト&チェンブロックメーカーさん各社、H形鋼用の車輪って標準品ではないんです。普通に問い合わせても「いや、ないですね。」と、むげに断られます。うちでもちょうど、H形鋼でレールを付けはったユーザーさまがいらっしゃって、各社問い合わせたんですが、現時点で出してくれるのは日立と、日本ホイストだけでした。

日立さんはサドルの標準品として型式もあるのですが、納期3ヶ月、価格は2倍以上。。。非現実的ということで却下。日本ホイストさんの場合、もともとサドル自体が安価だったため、価格的には2倍弱だったのですが、トータルコストが低く抑えれた為、こちらを採用することになりました。

最後に

懸垂形天井クレーン(サスペンションクレーン)の走行レールにはI形鋼を使い、もしH形鋼が使われていた場合は、車輪に注意しましょう。

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